税理士の屋号について思うこと

名刺 税理士準備
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今日は、個人税理士事務所の「屋号」について書こうと思います。
きっかけは、名刺に正式名称ではなく屋号を記載していたことで、ご指摘をいただいたことでした。

結論から言えば、外部に誤解を与えず、公序良俗に反しないなら屋号は自由に付けてよいと考えています。

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はじめに

私がホームページなどで使っている事務所名は、「氏名+税理士事務所」ではなく「税理士事務所〇〇〇」です。

この名称にした理由は、エッサムなどの研修で「事務所名に個人名を入れない方が良い」という話を聞いたことがきっかけです。
たとえば「氏名+税理士事務所」としていると、事務所の規模が大きくなった際に「本人が対応してくれないのか」というクレームにつながる可能性があるそうです。
今は一人税理士(ぼっち税理士)志向なのでほぼ関係ない話ですが、将来気が変わったときのために、この屋号を選びました。

ほかにも、屋号を使っている先生方にはこんな理由があるようです。

  • 旧字体の苗字で覚えづらいため、ひらがな表記にして柔らかい印象を出す
  • 専門分野を前面に出すため、「相続」を入れて「相続〇〇税理士事務所」としている

全国的には屋号を使う税理士事務所は26%程度※1と少数派です。
今回の件で「屋号=ダメ」と思っている方が一定数いるのだと感じ、まずは所属税理士会に確認してみました。

四国税理士会に確認

結果は「名刺の屋号表示はダメ」とのこと。
根拠は『綱紀のしおり』の記載です。

【望ましい例】
事務所名称は、税理士登録の名称(「氏名+税理士事務所」あるいは、「税理士+氏名+税理士事務所」)とし、登録事務所の所在地と事務所の電話番号を記載してください。

(中略)

事務所名を「〇〇会計事務所」「〇〇税務会計事務所」等、登録簿に登録以外の名称を掲載している場合は、「氏名+税理士事務所」あるいは「税理士+氏名+事務所」と訂正してください。

綱紀のしおり p.52より

たしかに「ダメ」と書いてあります。
ただ、この記載は平成6年時点のもので、日本税理士会連合会の公式サイトにも掲載されていません。もし本当にダメなら「苗字+会計事務所」などの屋号も指導されるはずですが、そうはなっていないのが現状です。

そこで、今度は日本税理士会連合会に問い合わせてみました。

日本税理士会連合会に確認

回答は、「名刺で屋号を名乗ることを禁じる規定はないので問題ない」とのこと。
ただし「株式会社〇〇 税理士〇〇」といった表記は、税理士業務を法人が行えるように見えるためNGとの説明でした。

また、屋号に関するガイドラインや公開資料も現状はないそうです。

さらに、ネットで他の支部の対応も調べてみましたが、支部ごとに解釈や運用が異なるように思えました。※2、※3

感じたこと

税理士会の事務局も組織の一員であり、資料に「ダメ」とあればその通り答えるしかないのだと思います。 とはいえ、現状の慣習や事例を見ると、納得のいく答えを出してほしいところです。

いずれにしても、日本税理士会連合会からガイドラインがでていれば、このような問題は起きないので対応をしてほしいところではありますが優先度が低いので対応されなさそうです。

今回のことから屋号については、税理士法人の名称と同じく「公序良俗や誤認を避ける」という観点で判断すればよいと思います。※4
「競馬研究税理士事務所」のように、競馬の研究所(他業種)と勘違いするような名前はNGだと思いますが・・・。※5

まとめ

以上のことから、外部に誤解を与えず、公序良俗に反しなければ屋号は自由に決めてよいと考えます。

もし不安があれば、①所属税理士会に確認、② ①の回答に納得できなければ日本税理士会連合会に確認 という流れで確認しましょう。

いずれにしても、「苗字+会計事務所」程度であれば、まず指摘を受けることはないと思いますが…。

参考資料:

※1 「税理士事務所の事務所名と屋号との違いとは?」(https://adv.freee.co.jp/column/preparation/tradename-difference)を参考に記載。経済産業省HPの認定経営革新等支援機関を確認すると正式名称以外の事務所もあることが確認できる。

※2 近畿税理士会 税理士登録申請の手引き(https://www.kinzei.or.jp/sites/default/files/document/tetsuduki_r4.pdf)を見ると、「『フルネーム税理士事務所』を記入する。『▲▲会計事務所』等の屋号は使用しない。」(p.19)と記載されている。このことから、屋号が使われることを認識していると捉えることができる。

※3 北陸税理士会 税理士事務所FAQ(https://hokurikuzei.or.jp/topics-new/img/298-1.pdf)を見ると「看板や名刺、ウェブサイトでの表示を見ると『○○税務会計事務所』などといった屋号を使用している場合が多くあります。(中略)外部からの誤認を避けるためには、『○○税務会計事務所』などといった屋号表示であっても本拠以外の場所で使用することは避けるべきであると考えます。」(p.8)と記載されている。このことから、本拠を屋号で名乗ることを認めていると考えられる。

※4 関東信越税理士会 税理士法人の手引(https://www.kzei.or.jp/documents/manual/zeirishihoujintebiki120529.pdf)で「誤認混同又は公序良俗に反する虞のないよう、次に掲げる事項に配慮する必要」(p.7)がある旨が記載されている。

※5 税理士法第53条 税理士でない者は、税理士若しくは税理士事務所又はこれらに類似する名称を用いてはならない。 これを趣旨解釈すると税理士事務所と分かることを要請されていると考えられる。

以上になります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!次回もよろしくお願いいたします。

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