【LEC会計大学院】2025年4月入学生向け入学試験変更に備えた対策を考える-その①

LEC会計大学院関連

先日、LEC会計大学院の入学試験が変更されるとの通知がLINEで届き、詳細を確認しました。
結論として、研究計画書の作成に重点が置かれるよう変更されたようです。

以下は、変更前後の研究計画書の要件を比較したものです。

概要

変更前(当時の受験記録を基に記載)
・文字数600文字程度
・研究テーマ
・研究テーマの概要
・テーマにした理由

変更後(LEC会計大学院入学試験のHPを基に記載)
・文字数1,500文字~2,000文字
・研究テーマ
・研究テーマの概要
・テーマにした理由
・研究方法

このように、以前の入学試験では求められていなかった「研究方法」の記載が加えられ、文字数も大幅に増えています。

変更点を見て真っ先に思ったことは、以下のような率直な感想でした。

変更後の入学試験だった場合は、落ちていたな・・・。

こう感じた理由は、当時私が研究テーマにしようとしていた内容が「法人税法における役員報酬の適正額」に関するものであり、国税審議会に提出するには適したテーマでなかったからです。

また、研究方法に関しても、当時参考書を読んで勉強してはいたものの、正直なところ理解が浅く、計画書にうまく落とし込むことは難しかったと思います。

そこで、過去の自分が今回の変更後の試験に挑戦すると仮定し、どのように研究計画書を作成すればよいかを考えてみました。

今回は研究テーマとは何かについて書きたいと思います。

研究のテーマについて

なぜ研究をする必要があるのかが分からないと、研究のテーマを決めるのが難しいと思います。
今回は、専門用語をできるだけ避け、簡単なストーリーを通して「論文のテーマが生まれるきっかけ」について解説します。
※かっこよく書いていますが、筆者自身が専門用語をうまく使えないという理由が大きいです。

とある納税者が、税務上の取扱い(A)に疑問を持ったことをきっかけに、以下のような流れで裁判に至るストーリーを考えてみます。

裁判前

納税者が課税庁に対して異議申し立てを行います。

納税者
納税者

Aという取扱いはおかしいのではないか? 課税庁に更正の請求をしてみよう。

課税庁
課税庁

Aの取扱いは正しい。理由は・・・。

納税者が課税庁の回答に納得せず、最終的に裁判で争うことになりました。

裁判

裁判所では、納税者と課税庁がそれぞれの主張を行います。

納税者
納税者

Aという取扱いはおかしい。理由は・・・。

税務署
税務署

Aという取扱いは正しい。理由は・・・。

地裁は課税庁を支持する判決を下しましたが、納税者は納得せず、高裁・最高裁まで争いが続きました。

最終的に最高裁は、納税者側の主張を認める判決を出しました。

最高裁
最高裁

Aの取扱いはおかしい。理由は・・・。

ただし、この判決には一部に疑問が残る点もありました。

その後の反応

最高裁判決後、この判決を巡って学者間で意見が分かれました。

学者X
学者X

最高裁の判決には問題がある。なぜなら・・・。

学者Y
学者Y

最高裁の判決に賛同する。なぜなら・・・。

さらに、Aに類似したBやCという取扱いについても争いが生じ、それぞれ異なる判決(Bは納税者勝訴、Cは課税庁勝訴)が出されました。

ストーリーはここまでです。

論文のテーマ

上記のストーリーから、論文のテーマを考える際に着目すべき点を整理します。

  1. メインとなる裁判事例があり、最高裁(高裁)まで争われている
    • (例:Aの取扱いに関する争い)
  2. 学者間で意見が分かれている
    • (例:学者Xと学者Yの見解)
  3. 裁判後も争いが続いている
    • (例:Aに類似するBやCの取扱いに関する争い)
  4. 裁判の判決が統一されていない又は、判決に疑問が残る
    • (例:Bは納税者勝訴、Cは課税庁勝訴)

当たり前の話になりますが、各者の意見が分かれていなければ、別の意見を主張する必要が無いため論文のテーマになりません。

学者の意見が多く研究が進みすぎている場合は、新しい意見を表明する余地が少なく、論文テーマとして適さない場合があります。一方で、学者の意見が少なすぎる場合、参考資料や研究材料が不足するため、説得力のある論文を書くことが難しくなる可能性があります。

そのため、程よく先行研究が進んでおり、裁判の判決が統一されていないテーマが、論文に適したテーマと言えます。

このようなテーマを選ぶことで、先行研究や裁判例を活用しつつ、自身の意見を論文として表明することが可能です。

ではどうすればよい研究テーマを見つけられるのかについては、自身で探すのは難しいため、租税判例百選などを使って調べるのがよいです

詳細については次回以降に書きたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました